年度も押し迫った3月のある日,市内の小学校でメンタルフレンド活動を続けてきた男子学生2名が突然に研究室へ飛び込んできました。きっと階段を3階まで駆け上がってきたのでしょう,二人とも「ハァハァ」と肩で息をしているのです。その勢いに何事が起きたのかと驚いて二人の顔を確認した私は再び慌ててしまいました。何故なら,いい歳をした男子学生が今にも泣き出さんばかりの表情(そのうちの一人は確かにもう涙目でした)で「先生,聞いてください!!」と始めたのですから。でも,ご心配なく。事の顛末はこうでした。
3年近く活動を続けてきた小学校の児童から「卒業式への招待状」が二人に届き,半信半疑で今朝S小学校へ出向いたら体育館の来賓席に自分たちの椅子が用意してあった。(中略)式の最後に卒業していく子どもたち一人一人から「お兄さんありがとうございました」と感謝の言葉があった。もうこらえ切れずに泣いてしまった。この感激を今すぐ誰かに伝えたくて,二人で研究室へ報告に来てくれたというのです。
もとより,メンタルフレンド活動は自分と他者との「関わり」の中で成立しているのですが,実はその活動を通して「メンフレさん自身が手に入れるもの」が大きいことに気付かされます。小学校で出会う子どもたちは「昨日の自分」なわけで,結果として子どもたちのメッセージに励まされているメンフレさんこそ「あの頃の未来」に立っている自分なのですから。3年間一度も登校したことの無かった中学生が体育館の一番後ろで卒業式にだけ参加(挑戦)してくれて,式後の生徒玄関の遠くから彼と目と目が会った時に「大学でメンフレ活動に巡り会えて本当に良かったと思いました。」というのもある二期生の言葉です。
かく言う私自身もメンタルフレンド活動に燃えている学生さんたちの弾むような言葉に元気をいただき,癒されているのは勿論です。(GP4317)