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2008年11月29日 (土)

メンフレこぼれ話(7)

学校は楽しかった

 ご紹介する学生さんは新潟県の北に位置するY県の地方都市から本学へ進学なさったお嬢さんです。彼女は入学直後から子どもとの関わり(児童福祉)に強い関心をお持ちになり,私の研究室が主催する「児童福祉ゼミナール」に参加資格が発生する2学年進級直後から活発に学習を始められました。一足先に開始したメンタルフレンド活動でも隣接する小学校での放課後解放プランに,それはもう,心から楽しそうに毎回参加してくれていました。
 そんな彼女がある時,顔を曇らせてこう言うのです。「なんで不登校とか言って学校に行かない子ども達がいるのでしょう」「だって私にとって学校は楽しいばっかりのところでしたから」と。そうなんですね,彼女が通学していた学校には愉快な仲間がいて,休み時間の楽しい遊びがあって,何でも教えてくれる頼もしい大人(先生)が待っていてくれるワンダーランドだったのです。確かに私たちの記憶の中にある「学校」は,あの嫌な勉強を除けば,それを超えてお釣りが来るくらいに,気持ちがワクワクする「何か」が待っている「子どもの居場所」だったような気がします。今,文科省や社会教育分野では「居場所作り」というキャッチコピーが声高に言われ始めていますが,あの楽しかったはずの子どもの居場所は学校から何処へ行ってしまったのでしょうか。
 2年前の春に本学を卒業した彼女は今,地元の社会福祉施設でお年寄りの生活支援に燃えています。その意味で,心の居場所つくりとして第二ラウンドのメンタルフレンド活動真っ最中です。(GP4317)

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