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2009年10月

2009年10月 2日 (金)

変わらない味

昔ながらの焼きプリン


あるグルメ番組を見ていたら「最近の料理は素材それぞれに固有の特徴がなくなった。昔は野菜・魚・肉などに産地特有の味というか,その土地の香りがあったのだけれど」と語っていました。その土地の香りのする素材の味まで吟味する「力」は私にはありませんが,確かに覚え親しんできた食品の「味覚のスタンダード」が変化してきているような気はしています。

 たとえば最近の「何とか・プリン」にはあの昔ながらの「焼きプリン」の香ばしいカラメルの香りはありませんし「何とか・ミックス」とか言うインスタント・ホットケーキの食感も然りです。学生さん達が好んで食べる「ミスド」なるものも家庭で作られてきた不揃いな形のドーナッツとは似て非なる味と香りです。こうした変化は経済性や生産効率優先の「商品」としてはやむを得ないことなのでしょうが,どこかで守り抜きたい「味覚のスタンダード」です。

 似て非なる「偽物」がいつか「本物」に取って代って「時代のスタンダード」になってしまうのはどの世界でも同じことなのでしょうか。その意味で「おばあちゃんの郷土料理」がそろそろ楽しみな食欲の秋です。(GP4317)