臨床心理学科における卒業研究テーマの紹介
臨床心理学科の齋藤恵美です。
2020年12月に臨床心理学科において卒業研究発表会が開催されました。
そこで取り上げられたテーマがとても多彩なものだったので、ぜひブログ読者のみなさんにも知っていただきたいと思い、以下に紹介します
ちなみに、本学科で「卒業研究」は必修科目(=単位をとらないと卒業できない)となっています
全学生が3年次12月から1人の教員の“ゼミ”に配属され、自分が最も興味のあるテーマで研究計画を練り、実行していきます。
まず1つ目に紹介する卒業論文のタイトルは、
「大学生の発表場面における緊張・あがりと自尊感情の関連について」です。
大学に入ると、授業で何らかのテーマについて調べ・まとめて・発表するという機会が格段に増えます。大勢の前で発表するので、緊張して心臓がドキドキしたり、顔が赤くなったり、頭が真っ白になったりするといった“あがり”が生じることがあります
これはきっと多くの方が経験したことがあるのではないでしょうか。
この“あがり”の度合いは、「自分自身を価値ある存在だと感じる感覚」すなわち自尊感情の高さによって違うのではないか?と予想し、卒業研究でアンケート調査を行いました
また、ある学生の卒業論文のタイトルは、
「大学生におけるファン対象の存在と主観的幸福感に関する検討」でした。
みなさんは、俳優やアーティストのファンだったり、“推し”の人がいたりしませんか?
あるいは、アニメの登場人物や二次元キャラに“推しが尊い…”と感じることはないでしょうか。
そういったファンや“推し”がいること自体が、本人の気持ちや生活を潤し、主観的な幸せ感覚につながっているのではないか?と予想し、アンケート調査を行ったという研究です
他にも次のようなタイトルがあり、学生が取り上げるテーマの多彩さには毎年驚かされます
「音楽のテンポによるストレス軽減効果の違いについて」
「夢想起頻度とパーソナリティ特性およびストレスコーピングとの関連について」
「女子大学生の性格特性と結婚相手に求める要素との関連性」
「大学生が場違いと感じる場面での心理状態と自尊感情との関連」
このように、心理学は心や行動にまつわるテーマを幅広く扱うことのできる、とてもおもしろい学問です
心理学を学ぶと、いわゆる“心理カウンセラー”の仕事だけではなく、接客業や営業といった人と関わる仕事にも役立つはずです
高校生のみなさんも、日頃「なぜ?」と疑問に思う心のフシギがあったら、本学臨床心理学科の卒業研究で追究してみませんか?
※写真は昨年度以前に撮影したものです。
【参考になるサイト】
「心理学キャンパスデイズ」(心理学ワールド第92号「動物との絆」)
日本心理学会の機関誌に、本学臨床心理学科の紹介が掲載されています!
「高校生のための心理学講座YouTube版」
心理学のトピックについて専門家がわかりやすく解説しています(日本心理学会の公式サイトより)。