臨床心理学科教員の齋藤恵美です。
臨床心理学科では、2017年9月19日~20日、新潟市西区メイワサンピアにて、
臨床心理学演習Ⅰの授業の一環として宿泊研修を行ないました。
この演習では、「カウンセリングの基礎となる演習を集中的に行うことにより、支援のためのコミュニケーションの力を高めること」
を目的としています。
晴天に恵まれた二日間、臨床心理学科の2年生39名と編入3年生6名が参加し、4つのセッションを行ないました。
今回は、各セッションでどのようなことをしたのか、学生からのコメントを加えながら、報告したいと思います。
【セッションⅠ】
研修1日目、さっそく皆で屋外に出て抜けるような青空のもと、セッション開始です!
開放的な雰囲気の中、ゲームを交えたグループ分けで、学生8~10名+教員2名の5つのグループが決まります。
最初のセッションでは、片方が話し手、もう片方が聴き手の役割をとって5分間の会話をするのですが、
聴き手には特別なルールが設定されています。
それは、“声を出したりうなづいたり反応をしてはいけない”こと。
どんな体験をしたのか、一つの活動が終わるごとに必ずグループで振り返ってシェアします。
Aさん「聴き手として何も反応ができないのは非常に辛かった。
『ん"ん"ん"ん"あ"あ"あ"‼‼』という気持ち」
【セッションⅡ】
お昼ご飯を食べて満腹になったら、
午後のセッションに突入です!
まずは、「ブラインド・ウォーク」。
二人組みになり、
一人は目隠しをし、もう一人は傍に付き添います。
遊具のある広場では、おっかなびっくり慎重に歩く人や、
積極的に滑り台やバスケットボールに挑戦する人がいたり、
終盤では案内役の手を離れて草原を駆け回る人も!
【セッションⅢ】
少し長めの休憩時間をはさんで、次のセッションは「ピア・カウンセリング」です。
ペアの片方はクライエント役、もう片方はカウンセラー役になってお話をします。
自分の悩みをじっくり聴いてもらう体験を振り返りました。
Bさん「大学でやった授業の中では得られなかった
クライエントの気持ちと空気感が新鮮で、楽しかった」
Cさん「カウンセリング演習の授業とは違い、
あまり緊張せずフレンドリーに相談できた」
【セッションⅣ】
二日目、最後のセッションは「粘土のワーク」です。
紙粘土でそれぞれ自由に作品を作ります。作品制作と言っても、うまさや芸術性を競うわけではありません。
会話を禁じられた状況での作品制作を通して、言葉のやりとりとは質の違うコミュニケーションを体験します。
上記のセッションの他に、フリー・トークの時間に学生と教員とでざっくばらんにお話ししたり、
皆で一緒においしい昼食・夕食を味わったりしながら親睦を深めました。
Dさん「お料理が豪華だった。朝のバイキングはたくさん食べすぎた!」
夜のお泊りでは、ゲームを楽しんだり、誕生日を迎える学生をサプライズでお祝いしたりしたそうです。
Eさん「ジェンガで遊んだら、びっくりするほど盛り上がった!」
以上、一泊二日の研修は内容が盛り沢山で疲れもあったと思いますが、
その分、大学で受けているいつもの座学では得られない気づきや学びがたくさんあったようです。
この体験がこれから臨床心理学を深く学んでゆくベースとなることを期待しています。