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2008年8月

2008年8月29日 (金)

子育て支援への取り組み

大学院 臨床心理学研究科長の橘 玲子です。

 本学に臨床心理士を養成する大学院ができて3年目を迎えています。平成20年には研究生制度もでき、臨床心理士養成の形が整ってきました。教員もそれぞれ研究や専門を生かした地域社会へのサービスを始めています。
 昨年、縁があって三条市の行政と協働して、子育てを支える保育士さんに絵本を通しての研修会を数回開いてきました。大変好評なうちに終えることができました。この活動を中心にして「子育て支援を支える保育士への臨床心理学的研究」というテーマで、文部科学省から科学研究費を3年間に約350万円ほど受けることができました。大変嬉しいことでした。科学研究費の認可を受けるには、全国の大学や研究所から研究テーマが公募され、どこの大学も研究費が不足しておりますのでたくさん出されますから、競争率がかなり高いのです。
 また、昨年の活動がきっかけで、三条市の子育て支援事業に参画することになりました。今年の4月から「こども未来委員会」の委員となり、7月には委員会の委員長として子育て支援の拠点施設作りの提言を市長さんに提出しました。これだけではなく、保育園に出向き保育士と一緒に子育てを考えるという三条市の事業に直接参加する計画も進み、この秋から大学院の数名の教員が実践活動に入ります。この活動と私たちの研究テーマとがうまくかみ合っていくと、研究も実践から遊離しないで進めることができます。臨床活動とか研究はネットワークが重要といわれていますが、このような機会はそうあるものではないので、行政と協働した研究をぜひ成功させたいものと願っています。

2008年8月 8日 (金)

集中授業 訪問介護Ⅱ 修了

短期大学部人間総合学科の荒木重嗣です。

 普段は、私は短大人間総合学科介護福祉コースの学生達との授業を中心にしているので、他の学科の学生さんと直接授業で出会える機会は少ないのですが、2日間の集中講義「訪問介護Ⅱ」では新潟青陵学園のいろいろな学生達と出会えるので毎年の楽しみです。今回、修了した講義の様子をお伝えします。

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今年は、新潟青陵大学の福祉心理学科の4年生、短大幼児教育学科の2年生、1年生、人間総合学科の1年生と、バラエティに富む構成だった。(授業に出たかったけれど、ちょうど補講が重なっていて、でれなくてごめんなさいと、わざわざ昼休みに来てくれた大学3年生たちもありがとうね)

 授業のはじめにそれぞれ自己紹介しあった後、すぐに打ち解け合って、介護技術やコミュニケーション演習を楽しんでいく。訪問介護員としての介護技術の基本を習得するにとどまらず、最新の介護技術やその背景となる考え方を紹介する授業や、わたしが今ちょっとはまっている面接技法(ソリューション・フォーカスト・アプローチ)をコミュニケーション技術として取り入れる実験的な演習などに、意欲的に取り組んでもらえた。

 介護実習室には、小さなダイニングキッチンがある。その真ん中にある食事テーブルを使って授業を行ってみた。なんだか懐かしい。そうだ。小学生だった頃、お母さんが夕ご飯をつくっているその側で、食事テーブルで宿題をしていたあのなつかしさなのだ。わくわくしながら学んだあの子どものころの勉強そのものだ。少人数のグループでしかできないとってもよい環境だと思う。

 隣の公園にでかけた車いす外出演習では、ひとりの保育園児(男児)と仲良くなれたことも、みんなの思い出に残る体験となっただろう。それは彼がお母さんから習っているオルガンで弾く曲を教えてと学生の一人がお願いすると、「はずかしいから秘密」といいつつ、学生の一人一人の耳元で彼が教えた曲目は「魔法の歌」。それを聞いただれもが、「え〜!すご〜い!」と叫んだ。彼の背中には天使の羽がはえているかと疑うほどの天真爛漫さ。その場に居た私たち全員と鳩の夫婦が“天真爛漫”に染まってしまった。

 最後の授業は「コンプリメント・シャワー」だ。全員が2人ずつ順に対面し、相互に相手の素敵なところを素直に伝え、それを遠慮や否定することなく素直にうけとめるという演習。全員が賞賛(コンプリメント)のシャワーを浴び、その喜びや気持ちよさからお風呂あがりのように全身を赤らめていく。授業はじめの昨日の表情とはあきらかに変化していった。たった2日、7回の授業だけれども、今年もずっしりと充実感のある学びだった。