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2008年9月 6日 (土)

メンフレこぼれ話(その3)

 児童相談所におけるメンタルフレンド活動の一つに「家庭訪問」という支援形態があります。もちろん,最初は児相スタッフによる訪問活動への同行から始まりますが,何回かの同行訪問の後,お子さんとの関係つくりに成功するとメンフレさんによる単独訪問へと発展していきます。
 そのようなケースの中に心に残る先輩メンフレさんのことを思い出します。彼女が関わったK君は小学校からの不登校傾向を引きずったまま,中学入学後も登校できていないという男子生徒でした。彼女は過密な大学講義の合間を縫って月に何回も精力的にK君宅へ通い続けましたが,変化のない状態に「私のメンフレ活動は意味があるのかしら」と悩む日々が1年以上続いたのです。一方,彼女と母親との関係は深まり,ケース終盤には母親への心理支援がK君へのそれと同等以上に重いものとなっていました。
 そして,それは県北の医療機関で精神保健福祉士として働く,今の彼女との関係にまで続いています。K君ゆかりの駅前喫茶店でお母さんとお話ししてきたという彼女からの報告は「あなた(メンフレさん)のおかげで私たち親子は,当時,どれだけ救われたかわかりません」「うちの子にとってあなたの家庭訪問だけが唯一の家族以外の人間関係でした」というものでした。
 皆さんのメンタルフレンド活動は目の前の子どもたち一人一人だけでなく,直接・間接的にその御家族(家族システム)全体への関わりでもあることを改めて学ばせていただいたケースと言えましょう。もちろん,大学での講義以上に「大きくて深いもの」(卒後の職業選択にまで)をメンタルフレンドの「実践活動」から学ばせていただいた彼女もまた「ケースに感謝」ということになるわけです。(GP4317)

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